今年の梅雨明けは例年より遅く8月にずれ込んだ。その直前、本県は大雨災害に見舞われ、最上川とその支流が氾濫した、「羽越災害」以来53年ぶりのことだ。
私の住む村山市もその中央部を貫流していることから百世帯が浸水した。中でも大淀地区は最上川の大蛇行部にあたり、県内外の写真家や画家が訪れる風光明媚な地区として知られているが、川岸にあるアトリエ3棟も床上浸水を被った。幸い高台にたつ最上川美術館は無事だったが。稲作、舟運、文化等の発展に恩恵を与えてきた、まさに山形県の「母なる河」。一旦牙をむくと人力では制御できないという自然の恐ろしさを改めて知らされた。
展覧会開催については、新型コロナ感染対策にともない本県もほとんど中止になったが、唯一令和元年に中央展に出品した作品を対象にした「中央展出品選抜絵画展」が山形市で開催された。3月中旬から7月末まで(途中休みあり)の期間で20団体、73展出品中、示現会関係が最も多く16点の出品であった。他団体の中央展出品作と一緒に陳列する形の珍しい企画の展覧会は私達にとっても有意義なものとなった。
最後に山形支部も秋に向け活動を始めようとしている。今の閉鎖的な状況を打ち破るため避暑も兼ねながら9月10日に蔵王山麓での写生会を企画した。広々とした自然の中、久しぶりに仲間と顔を合わせたい思いでいっぱいだ。